rohaniのブログ

ゆるっと自然言語処理奴。ときどき工作系バイト。

『プロフェッショナルの条件(P・F・ドラッカー)』知識労働者について

読んだ本

インターンに行って悶々としていたら勧められた本。

『Part1 今世界に何が起こっているか』の読書メモ

知識の意味の変化

  • 歴史上、知識は生産性を向上させてきた
    • 昔は技能(経験により体得するもの)によって仕事をしていたところを、技術(体系立てて手順化したもの)としてまとめたことで、広め応用できるものとなった
    • また技能を分析することで仕事を誰にでもできるものとなった
    • さらに既存の知識が有効に働くように、既存の知識に知識を適用するようになった
    • 現在の知識とは、行動を行い社会的・経済的成果を実現するための専門知識である
      成果を出す為に「いかなる新しい知識が必要か」「その知識は可能か」「その知識を効果的にする為には何が必要か」を明らかにするために知識を使う。この工程すら、知識を用いて分析することで意識的かつ体系的に行えるようになっている。

知識労働者について

  • 知識労働者の生産性を上げることが社会全体の生産性向上に大きく貢献する
    • 知識労働者は現代に働く人たちの多数を占めているから。
    • 肉体労働者の仕事の最適化は今まで散々取り組まれてきた事柄であるから。
  • 知識労働者は自分の所属と成長に自分で責任を持たなければならない
    • 知識労働者は生産手段を個人で所有しているから。
    • 知識労働者は雇用主たる組織よりも長生きするから。
  • 知識労働者と組織は互いを必要とする
    • 知識労働者の持つ専門知識は、他の専門知識と結合して初めて生産的な存在となるものであり、単体では成果を上げることができないから。
    • 知識労働者はそれ自体独立して役にたつものを生み出さないから。
    • 知識労働者は自らの成果を自らだけで確認することはできないので、組織の目的に貢献して初めて成果を上げることができるから。
  • 知識労働の成果は3種類
    • 質(研究所)
    • 質と量(看護人)
    • 条件と量(ベッドメーキング)
  • 知識労働者自身が生産性を上げる為に、目的の定義・目的への集中・仕事の分類以外ですべきこと
    • 質 → 何が役にたつかを考えること
    • 質と量 → 何が役に立つかを考え、仕事のプロセス一つ一つを分析すること
    • 条件と量 → 仕事の質の水準を定め、それを仕事のプロセスに組み込むこと

感想

知識についての見解

今まで、時の流れとともに知識が変化していたこと、いや、知識の変化が時代の流れを作っていたということに考え及んだことはなかった。 私の時代では、仕事に知識を適用するなんてことは当たり前で、試験勉強だって単純作業のバイトだって自分の作業工程を書き起こし・分析・最適化してみたり人に教えたりしている。 それを、こうして改めて特別なこととして見直してみるという感覚が、面白かった。これは単純に面白いなと思った。 当たり前から掘り起こして眺め回すという作業。他のことでやっても楽しそうだな。

自分の所属と成長の責任が自分にある

私は、知的労働者の生産性が経済にどんな影響を及ぼすなんてことには興味がない。ピンとこない。
けれども、自分自身に関することには興味がある。ピンとくる。

仕事道具が個人所有であるということは、道具の補修もレベルアップも個人管理ということだ。 どんなレベル上げイベントに参加するか。どんな仕事道具を充実させるか。 流されるままで出来上がる仕事道具がどんなものか、想像すると物悲しさを感じる。

もともと、人生様々なことが起こりうるのだということを考慮して、自分の稼ぐ能力をどう培っていくかという所謂キャリアプランってやつは、自分でちゃんと立てとかんとあかんと思ってはいたけれど。 安穏とした人生だとしても、知識労働者は自分の所属と成長に自分で責任を持たなければならないのだなと理解した。